月録名沙

読むべき本はあまりに多く、人生はあまりに短い。

ローマン・カモミール/Anthemis nobilis/加密列

f:id:getsuroku:20140408172431j:plain

名称:ローマン・カモミール

学名Anthemis nobilis

和名:加密列

分類:キク科ローマカミツレ

原産:西ヨーロッパ

 

カモミールの謎

 種から育てたローマン・カモミールが花をつけた (上記画像) 。通常、実生から一年目では花が付くことが少ないのだが、この株はうまく咲いてくれた。ハーブティーにするなら今が摘み時である。しかしティーにするため育てているわけではないし、ティーならジャーマンの方である。それでは何故かと言うと「植物のお医者さん」とも言われる謎の効果を測定するためである。検索すると「カモミールを弱った植物の近くに植えると元気にしてくれる」というような記述はよく見かける一方、そのメカニズムについて納得のいく説明は見つからない。本当にお医者さんなのか半信半疑である(´・ω・`) この際、「植物のお医者さん」効果があるのなら、仕組みはブラックボックスでもよいので、実験して真偽の程を明らかにしてみよう、と思い立ったのであった( ˘ω˘ )

 

◎仮説を立ててみる

 仕組みはどうでも良いと言いつつも一応の仮説は考えてみる。可能性があるとすれば以下の四点のうちのどれか、もしくは複合であろう。

  1.根から放出される化学物質に効果がある

→1.1.化学物質が土中の微生物叢を変化させ。結果植物に有利に働く。

これについては若干ながらCiNiiに論文がある。一般的によく知られているのがネギ属の土壌活性化効果やマメ科の窒素固定菌である)

→1.2.化学物質が微生物ではなく周辺の植物に直接影響を与える。

オーキシンやサイトカイニンのような植物ホルモン、もしくはホルモン様物質)

 2.物理的に土壌を改善する

→2.1.表土を覆い、水分の蒸発を緩やかにする、または地温の上昇を防ぐ。

→2.2.カモミールの根が土の三相分布を整える。

 もちろん、これらの可能性に加えて、その前提となる条件、すなわちカモミールは周辺の植物に害をなす性質(強すぎる吸肥料性等)を持っていない、という事実が存在することも忘れてはならない。また、害虫に関する要因は今回の仮説から省いてある。害虫が問題となるケースは他の問題に比べて少ない上、カモミールはアブラムシを誘引するがために、カモミールコンパニオンプランツとして植える場合は浸透移行性殺虫剤を同時に散布するからである。

 

◎そういえば……

 対照実験をしたわけではないのだが、ローマン・カモミールが有効に働いたと考えられなくもない経験がある。8月に特売で購入したセンテッドゼラニウムに元気がなく、室内で管理していたものの、翌年の1月にはもはやこれまでかと思われた。その時にゼラニウムの根本にローマン・カモミールの幼苗を植えてみた。1月が過ぎ2月、(コタツ以外の暖房器具がないために) さらに室温も下がる中、徐々に生気を取り戻したゼラニウムはやや徒長気味ではあったがその月のうちに15センチ近い新梢を伸ばし蕾までつけたのだった。この種のゼラニウムは耐寒性が低く、本来は冬には弱るはずである。

f:id:getsuroku:20140328164949j:plain

(3月末に咲いたゼラニウム)

 

◎対照実験を準備する

 上記の経験からカモミールの有用性にある程度の可能性を考え、次はきちんと対照実験を行いたい。しかし今のところ、我が家のベランダで同じ植物二鉢以上が似た条件で弱ってくれるような事がおきていないため、しばらく様子見である(´・ω・`)

 

後の更新へ続く。

 ----------------------

 

Copyright (C) 2013 getsuroku.hateblo.jp All Rights Reserved.